2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

社会保障の道徳的基礎①

最近、政府は、社会保障の費用をまかなうために、2010年代半ばまでに消費税率を10%まで引き上げる、という決定を行った。今後、少子高齢化がますます進んで、年金や医療、介護といった社会保障のための費用が増えるから、増税が必要なのだ、という理屈は分か…

なでしこジャパン優勝に寄せて

なでしこジャパンがワールドカップで優勝した。リードされても決してあきらめず、2度も追いついて、最後はPK戦で勝ったのにはとても感動した。素人目に見ても、アメリカは日本よりも格上だったように思う。その相手にリードされて、もうだめか、でもよく戦…

名利に使はれて

「名利に使はれて、閑かなる暇なく、一生を苦しむるこそ、愚かなれ。」 ―――「徒然草」第三十八段高校生のときにいろいろな古典を勉強した。もちろん受験のためであるが、そのときに諳んじていた内容が、実は今の考え方に結構影響を与えているのではないかと…

公務員に求められるもの

先月末、国家Ⅰ種の官庁訪問が行われた。私も、臨時面接官として、業務の合間をぬって10人余りの学生と面接した。真剣な眼差しで質問に答えてくる学生と話していると、自分が官庁訪問をしていたときのことを思い出す。初心忘るべからず、というが、自分自身が…

日本の統治機構の特徴〜参議院不要論に思う〜②

前回は、参議院不要論をきっかけに、日本の統治機構が、保守的に設計されていることについて記した。今回は、国の意思決定プロセスが保守的な思想の下に設計されている理由について、さらに考えていきたい。 統治のツールとして最も典型的かつ実効力があるも…